2011年7月13日(水)「しんぶん赤旗」

東電・大銀行に責任果たさせよ

国民負担の仕組み許されない

原発事故賠償法案 衆院委 高橋議員が追及


 日本共産党の高橋ちづ子議員は12日、衆院復興特別委員会で、原子力損害賠償支援機構法案について、国民負担による東京電力救済だと批判し、全面賠償のために東電と大銀行、原発メーカーなどに責任を果たさせるよう求めました。


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(写真)質問する高橋ちづ子議員=12日、衆院復興特別委

 高橋氏は、出荷制限に対する賠償でさえ東電が請求相手に21枚の書類を求め、支払いを遅らせているケースを紹介。また精神的損害の賠償(月10万円)を半年後に半減させる政府の賠償指針の問題を追及し、全面賠償する気があるのか迫りました。

 東電の西沢俊夫社長は、支払い手続きを難しくしているケースについて「事故を起こした当事者と認識して真しに受け止めたい」と答弁。菅直人首相は「突然の事故で避難を余儀なくされる苦痛と長引く苦痛との比較は難しい」と、支払いを半減させる政府指針の根拠が薄弱なことを認めざるをえませんでした。

 高橋氏は、法案が東電と大株主である大銀行を救済するため、「上限を設けず」「何度でも援助し」「債務超過にさせない」(法案提出にあたっての閣議決定)仕組みになっていることを批判。海江田万里経済産業相は「リストラをしっかりやるよう言っている」と釈明しました。

 高橋氏は、東電の現在までの仮払い(1064億円)が、国による補償枠(1200億円)すら超えていない立ち遅れを指摘。三大メガバンクの債権だけでも2兆円もあるとして東電と大銀行などに責任を負わせるよう求めました。

 高橋氏はさらに各電力会社が機構に払う負担金の割合が原発の稼働状況に応じて決まることを批判。「福島県民が『原発はいらない』と言っているときに、機構が賠償の資金を回収しようとしたら原発を稼働させなければならない。原発稼働ありきの法案だ」と告発しました。


救済する相手が違う

衆院復興特別委 高橋議員の質問


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(写真)高橋議員(左)に答える東京電力の西沢社長=12日、衆院復興特別委

 賠償の仮払いさえまともに行わない、東京電力に公的資金を投入して救済するのか―12日の衆院復興特別委員会で、東電の賠償支援機構法案を取り上げた日本共産党の高橋ちづ子議員。原発事故被害者の全面賠償の願いに背を向け、東電と大株主の大銀行救済に走る政府の姿が浮かび上がりました。

 高橋氏は、「『福島県民全員に慰謝料を』というのが県民の気持ちで、それくらいの覚悟が必要だと思う」と述べ、東電の西沢俊夫社長に賠償に臨む考えを質問しました。

 西沢社長は「原子力損害賠償紛争審査会の指針に基づいて国の支援も受けながら、公正かつ円滑に補償を行っていきたい」と、東電の従来の答弁を繰り返しました。

補償半年で急減

 高橋氏は、国の賠償紛争審査会の指針について、賠償の範囲が広がらない上、避難の精神的損害では半年間が月10万円、その後の半年間は半額になると批判。なぜ半額かと追及された高木義明文部科学相は、「突然の混乱という要素がなくなるので半減が適切」などと釈明しました。

 高橋 誰がそんな答弁に納得するのか。首相は、原発の処理に数十年かかると発言した。苦しみは減るどころか増すばかりではないか。おかしいと思わないのか。

 菅直人首相 突然の事故で避難を余儀なくされる苦痛と、長引く苦痛との比較は難しい。個人的な見解を言うのは困難。

 半額の根拠について、しどろもどろの首相。高橋氏は、全面賠償の立場に立って補償するよう求めました。

 高橋氏は、支払いが決まっている出荷制限の被害さえ、6月末に福島県農民連が賠償請求すると、東電は「立証責任は被害者が行うのが原則」と21枚もの書類提出を迫った事例を示しました。

 高橋 一体、東電は払うつもりが本当にあるのか。書類提出を大量に要求して、「あきらめろ」といわんばかりではないか。「原発事故とは関係ない」という立証責任は加害者が行うべきだ。

 西沢社長 失礼があったならおわびしたい。事故を起こした当事者と認識して真しに受け止めたい。

 仮払いについて高橋氏は、商工業者だと従業員が何人いようが上限250万円とされ、農漁業者では請求の半分とされていることをあげ、「これではやっていけない。一刻も早く満額支払うべきだ」と迫りました。西沢社長は「きちっと清算させてもらう」と答えました。

原発前提の法案

 高橋氏は、国による賠償支援の仕組みを追及しました。

 すでに、政府は1200億円まで負担することになっている上、賠償支援機構法案では、東電の支援機構に国が2兆円の国債を投入することになっていると指摘。機構が東電に対し「上限を設けず」「何度でも援助し」「債務超過にさせない」とする閣議決定(6月14日)を示し、ただしました。

 高橋 なぜそこまで援助するのか。第一義的には東電に責任があると答弁してきたではないか。

 海江田万里経産相 支援は被害者に適切な賠償を行うためだ。

 高橋 東電に責任を果たさせることが国の責任だ。三大メガバンク(の債権)だけでも2兆円の残高がある。関係する事業者に責任を果たさせるよう努力したのか。

 高橋氏は、2兆円の調達のために200億円の利子を払うことになっていると述べ、「多くの被災者が二重ローンで苦しんでいるときに政府は東電救済のために無利子で2兆円の国債を用意している」と批判。東電と大株主である大銀行、原発メーカーなど原発利益共同体に責任を果たさせるべきだと力説しました。

 高橋氏は、賠償支援機構法案の目的が「原子炉の運転等に係る事業の円滑な運営の確保を図り」となっていることに言及。「福島県民が『原発はいらない』と言っているときに、原発を動かし続けることが大前提の法案だ」と批判しました。





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