2011年7月12日(火)「しんぶん赤旗」
再生可能エネ
中国は風力/EUは太陽光へ…
世界で投資 32%増
途上国720億ドル 先進国700億ドル
国連環境計画(UNEP)はこのほど、報告書「世界再生可能エネルギー投資動向」を発表、昨年2010年の世界の再生可能エネルギーへの投資が前年比32%増加したことを明らかにしました。10年の再生可能エネルギーへの投資額は2110億ドル(約17兆400億円)に上りました。09年の投資額は1600億ドルで、04年との比較では540%の増加となりました。(夏目雅至)
国連報告書
同報告は、UNEPの依頼でロンドンに本部を置く民間機関「ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス」がまとめたもの。中国での風力発電所の建設、欧州での小規模な屋上太陽光発電の普及などが再生可能エネルギーへの投資額を押し上げました。
報告によると、大規模な再生可能エネルギープロジェクトの分野では発展途上国への投資額約720億ドルに対し、工業先進国への投資は700億ドル。再生エネルギー計画への投資で発展途上国が工業先進国を上回ったのは今回が初めて。
中国では再生エネルギーに新たに489億ドルが投資され、前年を28%上回り、最大の再生エネルギー投資国となりました。その他の新興国も強い成長を示しています。
中南米では39%増の131億ドル、中東・アフリカは104%増の50億ドル、インドは25%増の38億ドル、中印を除くアジア諸国は31%増の40億ドルになりました。
また、固定価格買い取り制を導入している欧州各国では、小規模な屋上太陽光発電への投資がドイツで132%増の340億ドル、イタリアで59%増の55億ドルなど増加しています。
再生可能エネルギーには長期的な開発が必要だという点から、政府による研究や開発が強化され、この分野に120%増の40億ドルが投資されていることを積極的な展開として指摘しています。
UNEPのシュタイナー事務局長は、報告書発表に当たって、「グリーンなエネルギーの部門が発展を続けているのは偶然ではない。政府による目標設定と政策による支援と資金が成長を支えている」と述べました。