2011年7月5日(火)「しんぶん赤旗」

福島原発

原子炉注水量が低下

1号機 配管に異物詰まる?

東電が発表


 東京電力は4日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)1号機の原子炉への注水量の低下を示す警報が鳴ったと発表しました。配管に異物が詰まった可能性があるとしています。

 1号機の原子炉には毎時約3・7トンで注水していましたが、3日夜から何らかの原因で注水量が低下し始め、4日午前8時13分に警報の設定値(毎時約3トン)まで減少しました。そのため東電は同8時40分から10分間、弁を操作して注水量を毎時約7・5トンに増加。その後は毎時約3・8トンに調整して注水を続けました。原子炉圧力容器の温度に顕著な影響はないといいます。

 流量低下の原因について東電は、水に異物が混入して配管内に詰まった可能性があるとみており、10分間の注水増量時に異物を押し流すことができたかどうか、経過を観察しています。

 東電によると、1号機の炉心の現在の発熱量は約1メガワット。毎時1・3トンの水を蒸発させる熱量に相当します。圧力容器からの水漏れを考慮に入れると、現在の温度を保つための注水量は毎時約3・5トン。最低でも毎時約2トンの注水が必要だとしています。

 今回の原因はまだ判明していませんが、注入する水に異物が混入するのを防ぐ対策が早急に求められます。

 一方、3号機では、水素爆発を防ぐための窒素注入の準備として、原子炉建屋1階床面に縦横3メートル×1・5メートル、厚さ2センチメートルの鉄板51枚を敷く作業を進めました。

 鉄板を敷くのは、窒素注入配管の工事予定箇所の放射線量を3分の1程度に軽減するのが目的です。





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