2011年7月5日(火)「しんぶん赤旗」
タイ 5党連立政権へ
経済再建と和解重視
第1党の貢献党
|
【バンコク=面川誠】タイ貢献党のインラック首相候補は4日、バンコク市内で記者会見し、少数政党4党と連立政権を発足させると発表しました。会見には4党代表も同席。インラック氏は、「経済の再建」と「国民和解を通じた政治対立の解消」を最優先すると述べました。
3日の下院(定数500)総選挙で貢献党は265議席を獲得。同党と連立を組むのは国家発展党(19)、国家発展貢献党(9)、パランチョン党(7)、マハチョン党(1)の4党。
2006年のクーデター後に海外亡命生活を送る実兄のタクシン元首相について、インラック氏は「特定の一個人に対して特赦を実施する考えはない」と強調しました。
国境紛争が続くカンボジアとの関係について、インラック氏は直接言及しませんでしたが、「近隣諸国との関係改善」を進めると強調しました。
貢献党の広報担当者は、「国民感情があるので難しいが、国境紛争の解決を目指す対話の再開を急ぐ」と述べました。
このほか、「行政の透明性」向上が必要だと指摘しました。現在の司法、警察行政の上層部は、反タクシン派で占められています。
民主党は159議席を獲得。解散前より13議席減らしたものの、劣勢が伝えられた首都バンコクで33議席中23議席を獲得し、地盤を守りました。
民主党党首のアピシット首相は4日、党首辞任の意向を発表しましたが、有力な後継者がいないため、続投の方向で党内調整が進んでいます。
過去18回のクーデターを含め、政治に大きな影響力を与えてきた国軍の動向について、プラウィット国防相は3日夜、「何度も言ってきたように、軍は選挙結果を受け入れる。軍本来の任務に専念し、政治には干渉しない」と言明しました。
■関連キーワード