2011年7月4日(月)「しんぶん赤旗」

国民皆保険制度拡充を

大阪 50周年記念シンポ


 社会保障としての国民皆保険制度を震災復興のためにも拡充させようと3日、大阪市淀川区内でシンポジウムが開かれました。医師の日野秀逸東北大学名誉教授が、国民的運動で生みだした同制度の歴史を報告したうえで、大震災の被害は「相次ぐ社会保障の後退による人災だ」と指摘しました。続いて各分野のパネリスト4人が発言。全国各地から330人が参加しました。

 シンポジウムは、全国保険医団体連合会が国民皆保険制度の実現から今年で50周年になるのを記念して開きました。青森県保険医協会の大竹進会長や宮城県保険医協会の井上博之副理事長、東洋経済新報社記者の岡田広行氏、「日本難病・疾病団体協議会」の伊藤たてお代表理事がパネリストとして報告しました。

 医療機関が壊滅的被害を受けた岩手県沿岸地域での医療支援を紹介した大竹氏は、震災前から陥っていた深刻な医師不足の改善を提起。歯科医師の井上氏は「歯科医療の受診には窓口負担が重くのしかかっている」と大幅な軽減を訴えました。

 被災地取材を続ける岡田氏は、医療機関の復旧の立ち遅れに対し行政の責任を追及し、伊藤氏も社会保障全体の拡充を求めました。

 会場からは、「国は『小さな政府』にして行政サービスを手抜きしてきた。国が復興へ直接支援する仕組みを作り直さないといけない」(福岡県)などの発言が出されました。





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