2011年7月3日(日)「しんぶん赤旗」

憲法改定案98%賛成

モロッコ国民投票 議会権限を強化


 【カイロ=伴安弘】モロッコで1日、国王の権限を縮小し、議会の機能を強化するなどの改革を盛り込んだ憲法改定案についての国民投票が行われ、98・5%の賛成で承認されました。投票率は72・65%でした。

 憲法改定により、これまで国王が任命していた首相は、選挙で多数の議席を得た政党から選出され、閣僚の指名権、議会解散権も付与されます。議会は、法律の最終決定権を持ちます。

 また、裁判所の独立性が強化され、複数の判事と、民間組織の全国人権会議の議長からなる最高評議会の監督の下に置かれます。

 しかし、国王は依然、国家元首とされ、閣僚会議と最高安全保障会議を主宰し、治安、軍事、宗教の面での決定権をもちます。

 モハメド6世国王は先月17日、憲法改定案を国民に提示。チュニジア、エジプトでの民主化の余波を受け、モロッコでも2月以来、民主化要求が高まっていたためです。

 発表以来、ほとんどの政党や労組、メディアはこれを支持するキャンペーンを展開してきました。しかし、民主化運動に火をつけた青年組織「2月20日運動」は改革が不十分だとして、国民投票のボイコットを呼びかけていました。





■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp