2011年7月1日(金)「しんぶん赤旗」
南米の貧困削減に努力
メルコスル首脳会議開く
【メキシコ市=菅原啓】南米5カ国が加盟するメルコスル(南米南部共同市場)の首脳会議が29日、パラグアイの首都アスンシオンで開かれました。
今年は1991年にメルコスル設立条約が調印されてから20年目。この間に、加盟国間の貿易額は約9倍に増え、昨年は平均で8%の経済成長を記録しました。
各国首脳は、こうした数字を挙げながら、メルコスルは「世界で最も魅力的な市場の一つとなった」と20年間の成果を高く評価。同時に、各国が貧困削減など社会開発面で努力してきた意義を強調しました。
採択された共同声明は、「貧困削減を通じ、社会的包摂(経済発展から排除される国民を生まないこと)を伴う発展を促進する」として、メルコスルの基本的立場を改めて確認しています。
会議では、各国の経済発展に伴い、欧米諸国や中国などから製品輸入が急増し、国内経済が脅かされている問題を協議しました。ブラジルのマンテガ財務相は、メルコスル諸国は自国で販売先のなくなった国の「製品に侵略されている」と警告。今後半年間議長国を務めるウルグアイのムヒカ大統領は、域外からの製品の流入に対する「防衛策」をとる必要性を指摘しました。
ムヒカ大統領は、メルコスルをさらに発展させる方向として、加盟国を拡大する戦略を提起。政府が加盟を決めているものの、パラグアイ議会の承認が遅れ、正式加盟国となっていないベネズエラを「一刻も早く正式加盟国にするべきだ」と訴えました。
会議にはメルコスルへの加盟交渉を行っているエクアドルのコレア大統領も出席しました。
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