2011年6月30日(木)「しんぶん赤旗」

高温排気で火災の危険

オスプレイ配備


 沖縄の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に来年秋から垂直離着陸機MV22オスプレイを配備する計画について、仲井真弘多県知事は菅直人首相らとの会談(27日)で、反対の意向を伝えました。その理由の一つに挙げたのが、同機の高温排出ガスの問題です。

 沖縄県が独自に入手した米海軍省の資料(2008年7月)によると、オスプレイは回転翼を上方に向けるヘリコプターモードの際、エンジンを格納しているナセルを垂直にし、高温ガスを下向きに排出します。 (図)

 オスプレイは、この高温排出ガスによる機体や地面への影響を低減するため、排出方向を外側にそらす排気ディフレクターという装置を取り付けています。しかし、過去には同装置が作動しなかったため高温ガスが下向きに排出され、ナセル直下の草地が発火し、野火が起こるという事故が起こっています。

 このため、仲井真知事と宜野湾市の安里猛市長が連名で北沢俊美防衛相に提出(24日)した質問状は「ディフレクターの不具合や舗装されていない地面への着陸等における火災リスクが危惧される」とし、説明を要求。仲井真知事は27日、「地べたに強力な影響を与えるオスプレイを(住宅密集地の中にある)普天間基地に持ってこられるわけがない」と述べました。

 オスプレイは高温排出ガスの問題に加え、ヘリコプターモードの際に回転翼が発生させる下降気流が、普天間基地に現在配備されているCH46ヘリコプターよりも激しいという指摘もあります。

 オスプレイが普天間基地に配備されれば、貴重な自然の宝庫・ヤンバル(沖縄本島北部)にある海兵隊北部訓練場で訓練を行うことになります。前出の質問状は、CH46より強い下降気流と火災リスクを伴う高温排出ガスによる自然環境への影響を懸念し、調査の実施を含め詳細な説明を求めています。

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