2011年6月29日(水)「しんぶん赤旗」

注水冷却停止

配管の金具点検せず

福島第1 100カ所検査し直し再開


 東京電力は28日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)のタービン建屋地下などにたまった高濃度汚染水を処理して原子炉に戻す「循環注水冷却」が処理水の漏えいで停止した問題で、処理水の流量調整の際に配管をつなぐ金具がゆるんで、配管がはずれたと発表しました。金具の事前のチェックはしていなかったといいます。金具を修理し、同様の100カ所の点検を目視で確認したとして同日、注水を再開しました。

 配管は「かしめ」と呼ばれる金具で締めつけてつないでいます。東電によると、水漏れが見つかった付近で、作業員が処理水の流量を弁で調整していた際に、金具がゆるんだため配管がはずれたといいます。作業員によると、漏れたのは2分間程度で、最大1トンとみられます。処理水の放射能濃度は1立方センチ当たり3・5ベクレルで、国が定める敷地外へ出せる濃度限度の88倍です。注水再開後も、別の場所で水のにじみが見つかりましたが、注水に支障はないとしています。

 東電は、注水前に配管などのチェックを終えていると述べていましたが、28日の会見では、流量調整による確認などはしていなかったといいます。再開後の漏えいなどの監視も1日1回はしたいといいますが、具体的なことは検討中としています。汚染水の処理は継続しており、これまで7230トンを処理し、淡水化処理を終えたのは2250トンです。

 一方、2号機原子炉の水素爆発予防のための格納容器への窒素ガス注入について、経済産業省原子力安全・保安院は問題ないと東電に伝えました。28日夜にも窒素ガス注入を始めます。





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