2011年6月29日(水)「しんぶん赤旗」

中米ホンジュラス政変から2年

セラヤ氏ら政治組織結成

選挙通じ政権を展望


 【メキシコ市=菅原啓】中米ホンジュラスで、新自由主義や米国追随との決別をめざしたセラヤ政権が、改革に反対する旧支配勢力のクーデターで打倒されてから28日で2年になりました。クーデターと弾圧政治に抵抗してきた大衆組織が、政治組織を結成することを決めました。民主主義と生活向上を目指す国民のたたかいは、抵抗の段階から「投票箱を通じた」政権獲得を展望したものへと大きく発展しつつあります。

 首都テグシガルパ市内で26日に開かれた全国国民抵抗戦線(FNRP)の臨時総会には、労働組合、農民組合、人権団体の代表ら約1500人が全国から集結しました。

 クーデターで亡命を余儀なくされたものの、中南米諸国の仲介努力のもとで、5月末に帰国を果たしたセラヤ元大統領(FNRP代表)が基調報告。国民が望む変革を目指す政治組織として「国民抵抗拡大戦線(FARP)」の結成を提案し、満場一致で承認されました。

 セラヤ氏は、ホンジュラスの富を独占する少数の支配層の利益を共同で擁護してきた自由党・国民党による二大政党制を打ち破るために「革命的で民主的な政治勢力」である拡大戦線を創設することの意義を強調。拡大戦線の結成によって「われわれはホンジュラスに新しい時代を生み出す」と語りました。

 総会では、抵抗戦線は大衆的な組織として存続し、さまざまな課題で国民を動員する活動を行っていくことも確認されました。

 抵抗戦線のバラオナ副代表は「拡大戦線は投票箱を通じて寡頭支配勢力と権力を争うことになる」と強調。13年に予定される次回の大統領選で勝利するために、改革の方向で一致できる多様な潮流の政党や個人を結集していく考えを明らかにしました。

 ホンジュラスでは選挙に参加する団体は、最高選挙裁判所に政党登録を申請し、承認を受けることが義務付けられています。バラオナ氏は、申請に必要な4万3000人分の署名を集める活動を直ちに開始するよう呼びかけました。





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