
2011年6月28日(火)「しんぶん赤旗」
東電役員報酬返上というが
兼職で報酬1千万円超も
関連会社役員に14人
東京電力は福島第1原発事故を受け、賠償費用の捻出の一環として、役員報酬の返上・減額を表明していますが、代表取締役と常務の17人中14人が関連会社の役員を兼職し、報酬を得ていることが27日、本紙の調べでわかりました。関連会社から年間1千万円を超える報酬を得ている役員もいます。
同社の有価証券報告書などによると、17人の代表取締役(8人)と常務取締役(9人)のうち14人がグループ企業など21社で社外取締役や社外監査役を兼任しています。こうしたポストは、東電幹部の“指定席”となって、たらい回しされています。
清水正孝社長はグループ企業の日本フットボールヴィレッジの取締役となっています。次期社長が内定している西澤俊夫常務は東京発電の取締役です。
こうした兼職の報酬は少なくありません。勝俣恒久会長が社外取締役を兼任する2社のうち、判明した情報通信大手のKDDIからは年間750万円の報酬を得ています。
皷(つづみ)紀男副社長は3社で兼職(1社は14日に退任)していましたが、判明した2社分だけで年間約1280万円の報酬です。
また元社長の荒木浩顧問が三井住友銀行の社外監査役として年間約430万円の報酬を得るなど、これまでの安全対策の責任が問われる歴代経営陣も兼職で報酬を得ています。
東電は5月20日、代表取締役の役員報酬の全額返上と常務取締役の総報酬60%の減額―などを発表。4月に発表した清水社長ら幹部17人の総報酬50%カットの処置では不十分との批判が集中したため、再検討しました。減額の期間は「9カ月から12カ月が目安」と同社は説明しています。