2011年6月25日(土)「しんぶん赤旗」

強制連行・労働の代価99円

“違憲の補償取り消せ”

名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊 被害者ら審査会傍聴


 名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身(ていしん)隊被害者・梁錦徳(ヤン・クムトク)さん(80)、被害者遺族・金中坤(キム・チュンゴン)さん(87)の社会保険審査会が23日、厚生労働省(東京都千代田区)で開かれました。韓国の「勤労挺身隊ハルモニと共にする市民の会」会員、光州市議、日本の支援者ら四十数人が、審理を傍聴しました。


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(写真)社会保険審査会の報告をする(右から)金中坤さん、梁錦徳さん、23日=東京都千代田区

 金さんの妻と妹、梁さんは戦時中、朝鮮から名古屋市の三菱軍需工場に強制連行され、強制労働をさせられました。日本政府から受け取ったのは、社会保険庁が支払った厚生年金の脱退手当、99円のみです。

 この金額は1945年当時の物価、賃金等に基づいて定められたもので違法・不当であり、裁決によって取り消されるべきだ、と再審査請求をしたもの。

 梁さんは小学校6年のとき、「中学校に行ける」と憲兵にだまされて日本へ連行され、殴られ食べ物も満足に与えられず、働かされたもようを陳述しました。

 金さんは、99円の問題は自分だけでなく韓国・日本の支援者を侮辱する問題であり、日本の戦後補償のあり方を問う問題である、と訴えました。

 請求人代理人の弁護士は、日本国憲法25条・生存権に反する行政処分であり、取り消すべきだと主張。また、厚生年金の保険給付および国民年金の給付の支払い遅延にかかる加算金の支給に関する法律の適用を求めました。





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