2011年6月15日(水)「しんぶん赤旗」

上海協力機構 きょう10周年

カザフで首脳会議


 【北京=小寺松雄】中国、ロシアと中央アジア4カ国(カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン)で構成する上海協力機構(SCO)が15日に創立10周年を迎えます。同日カザフスタンの首都アスタナで首脳会議を開きます。

 SCOは創立時から「軍事同盟ではない」という立場を表明しつつ、アジアを中心とする多国間安全保障の制度化を進めてきました。軍事協力も進めており、今年5月には中国新疆ウイグル自治区で大規模な合同軍事演習も実施しました。

 安全保障の大きな柱であった「反テロ」の課題は、5月にパキスタンで国際テロ組織アルカイダの指導者ビンラディン容疑者が殺害されたのを機に、いっそう位置づけが高まり、さらに警戒と対応を強める構えです。

 また、チュニジアやエジプトでの政治変革など、中東情勢の激動をどう受け止めるかについても議論されるものとみられます。

 首脳会議ではまた、新加盟条件も協議します。現在オブザーバー(準加盟国)のインド、パキスタン両国が正式加盟を希望。両国の加入で、SCOは南アジアをも含む地域機構へと拡大します。

 中国の程国平外務次官補は8日の講演で、「相互信頼、相互利益、平等、多様な文明の尊重」が「SCO精神」だと説明。「国際情勢は複雑だが、『SCO精神』を堅持して各種の脅威と課題に対応していく」と述べました。同氏はまた、今回の首脳会議で、政治、経済、安全保障などについて、前進の方向を示す「SCO10周年アスタナ宣言」を発表すると述べました。

 SCOの方向性について、欧米の対応は微妙です。米国は05年に加盟を申請しましたが、SCO理事会は却下。また北大西洋条約機構(NATO)も、隣接する地域の共同体の動向に目を光らせています。





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