2011年6月15日(水)「しんぶん赤旗」
7000人 トルコへ避難
兵士離反 政府軍との戦闘激化
シリア
【カイロ=伴安弘】シリア政府軍が13日、戦車や武装ヘリでシリア北西部の町ジスル・アッシュグール(人口5万人)を攻撃・占領しました。同市からトルコに避難する人が増加し、これまでに国境からトルコへ逃れた避難民は7000人以上となりました。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、赤新月社がさらに2500人以上収容できる4番目のキャンプを開設する準備をしています。国境のシリア側にはなお1万人の避難民がいるといいます。
避難民らによると、民主化要求デモ鎮圧に乗り出したシリア軍から一部の兵士が離反し政府軍との間で激しい戦闘が行われました。
シリア軍はこの日、ジスル・アッシュグールで数百人を逮捕。シリア国営テレビは同市の「周辺と内部で、(政府)軍と武装組織のメンバーの間で激しい対決があった」と述べていました。避難民は、政府軍の戦車4両が反旗を翻し、政府軍の戦車と砲撃戦を行ったと証言しています。
またシリアの国営通信が「武装テロ・グループ」が畑を焼くなどの破壊行為を働いたと伝えたのに対し、別の避難民は200人ほどの兵士と黒い服を着た男たちが村にやってきて小麦畑にガソリンをまいて、火をつけたと証言しました。
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