2011年6月7日(火)「しんぶん赤旗」

ポルトガルで政権交代

社民党第1党 緊縮政策を継続


 【ロンドン=小玉純一】ポルトガルで5日、総選挙(比例代表、定数230、一院制)が行われ、最大野党の社会民主党(中道右派)が第1党となりました。与党の社会党(中道左派)は、2008年の金融危機以降の財政悪化の政治責任を問われ、第2党に転落。6年ぶりの政権交代が確実となりました。

 報道によると、社会民主党は38・6%を獲得し、改選前の81議席から105議席へ増加。社会党は28・1%で、改選前の97議席から73議席に減りました。中道右派の民衆党は11・7%で24議席を確保。ポルトガル共産党などでつくる連合「統一民主同盟」は7・9%で、16議席を得ました。社会民主党は、第3党の民衆党と連立する見込みです。

 社会民主党のコエリョ党首は5日夜の勝利宣言で、「ポルトガルに対する市場の信頼を取り戻す」と強調。緊縮財政策を続ける姿勢を示しました。

 今回の総選挙は、3月に議会が緊縮財政策を否決し、ソクラテス首相が辞任したことを受けて行われたもの。ポルトガルは、4月に欧州連合(EU)へ融資を要請。EUは国際通貨基金(IMF)とともに、公務員の削減など緊縮策実行を条件として、780億ユーロ(約9兆1000億円)の融資を決定していました。

 緊縮政策に対し、昨年は22年ぶりに二つのナショナルセンターが統一ストライキを実施し、今年5月にも主要労組がストを行うなど、抗議行動が広がっています。





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