2011年6月6日(月)「しんぶん赤旗」

主張

オスプレイ受け入れ

普天間基地撤去は待ったなし


 沖縄の米軍普天間基地に垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを2012年10月から配備する米軍の計画を、政府が正式に受け入れようとしています。

 オスプレイの配備は撤去が求められている普天間基地の重圧をさらに増大させるもので、県民にとって絶対に認められるものではありません。12年にオスプレイを配備するというなら、それこそそれまでに普天間基地を閉鎖・撤去させることが重要になります。

危険がさらに強まる

 オスプレイは、離着陸時はヘリとして、水平飛行のときはプロペラ機として飛ぶ最新鋭の輸送機です。すさまじい爆音と墜落の危険を伴っています。政府はこのオスプレイ配備を受け入れる方針を確認し、北沢俊美防衛相が先月7日に仲井真弘多沖縄県知事との会談でこの方針を伝えていたと報じられています。

 人口が密集する宜野湾市のど真ん中に居座る普天間基地は爆音被害の温床です。離着陸する米軍機の爆音が夜も昼も市民を苦しめています。県民・市民が爆音をなくせと切実に求めているのに、オスプレイを配備し爆音被害を増大させるのは許されません。

 オスプレイは開発段階から何度も墜落事故を起こしている欠陥機です。事故が多発する欠陥機を人口密集地のど真ん中にある基地にもってくること自体、異常です。

 米国防長官ですら普天間基地を「世界一危険な基地」といいました。04年には米軍ヘリが住宅地域と隣接する沖縄国際大学の構内に墜落し、住民を震え上がらせました。欠陥機であるオスプレイの配備が県民をより危険にするのは避けられません。

 普天間基地の名護市辺野古「移設」を決めた1996年の沖縄特別行動委員会(SACO)合意いらい、米軍のオスプレイ配備の計画に県民が反対し続けているのは、「平和な空」と「静かな夜」を取り戻したいためです。この当たり前で、切実な願いをふみにじって、政府がオスプレイ配備を受け入れることは許されることではありません。政府は県民の苦しみをなくすためにもオスプレイの配備方針を撤回すべきです。

 とりわけ重大なのは、米政府が普天間基地を名護市辺野古に「移設」できなければ普天間基地を継続使用するといっていることです。普天間基地「移設」を認めなければ普天間基地を存続させるぞという露骨な脅迫です。県民が普天間基地の「移設」に反対しているのは、「移設」が基地の痛みを移すだけであり、基地の重圧をなくすことにはならないからです。この県民の当然のたたかいを逆手にとって、普天間基地の継続使用を正当化するなど言語道断です。

県民のたたかいで

 そもそも普天間基地は、沖縄を占領中に、米軍が当時の国際法に反して武力を背景に県民から奪った土地の上につくった基地です。違法に奪った基地は県民に無条件に返還すべきです。普天間基地を継続使用し、オスプレイまで配備する居直りは認められません。

 普天間基地の閉鎖・撤去は、県民が願う「基地のない平和な沖縄」を実現するうえでも待ったなしの課題です。これこそ太平洋戦争末期の沖縄戦の悲惨な体験から県民が大事にしている「命(ぬち)どぅ宝」の思いに応える唯一の道です。





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