2011年6月4日(土)「しんぶん赤旗」

国家公務員賃金カット法案

政府が閣議決定強行

労組の交渉継続要求を拒絶


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(写真)公務員賃金削減の撤回を求めて唱和する参加者=1日、総務省前

 政府は3日、国家公務員一般職の賃金を2014年3月まで3年間、5〜10%削減する「給与法改正案」を閣議決定しました。国公労連(日本国家公務員労働組合連合会)は、前日の片山善博総務相との交渉で「人件費に手を付ける前に米軍思いやり予算や政党助成金など検討すべきものがたくさんある」などと主張して撤回を求め、交渉継続を要求しましたが、政府はこれを拒否して強行決定したものです。

 国家公務員の賃金は、人事院勧告という順序をふまえて閣議決定し、国会に法案を提出する制度になっています。憲法で保障されている労働基本権を国家公務員から不当に奪った代償措置としてとられているもので、政府みずから勧告制度を踏みにじった暴挙として批判の声が高まっています。

 前例のない異常な閣議決定を強行したことについて、菅直人首相は「東日本大震災に対処するため」に「やむを得ず行うもの」という弁明談話を発表しました。しかし、これまで国公労連側が主張していた、公務員賃金削減がもたらす消費の冷え込みによる経済へのマイナス影響や、復興の最前線にたっている国家公務員の労苦に報いるのになぜ賃下げなのか、いまやるべきは被災者本位の復興にむけて職員の緊急増員をふくむ行政体制の強化であり、賃下げはこれに逆行するなどの問題点は、検討されませんでした。

 また同日の閣議では、人事院の改組と、労働組合に制約条件つきの協約締結権付与などを内容とした「自立的労使関係制度」をつくる法案を決定し、賃下げ法案とともに今国会での成立をめざすとしています。





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