2011年6月4日(土)「しんぶん赤旗」

「中学校の歴史教科書」を検討

沖縄はどうかかれているのか

戦後の米軍犯罪には触れず

都内で集会


 「中学校の歴史教科書に沖縄はどうかかれているのか」をテーマに教育者、研究者らが3日、東京都内で集会を開き、約50人が参加しました。主催は大江健三郎・岩波書店沖縄戦裁判支援連絡会など3団体。

 沖縄についての教科書記述をめぐっては、2007年に発表された高校教科書検定で、沖縄戦の「集団自決」にかんする記述から日本軍による強制の記述が削除され大きな問題になりました。集会では、その後、教科書記述がどうなっているかを、今年3月に検定結果が発表された中学校歴史教科書にそって分析、問題点を検討しました。

 支援連絡会事務局長の小牧薫さん、「沖縄戦首都圏の会」呼びかけ人の石山久男さんが報告。「集団自決」については「日本軍によって…集団で自決を強いられた」という記述の教科書がある一方で、あいまいな表現の教科書もあることが明らかにされました。戦後の基地被害や米軍犯罪についても書くべきだとの意見も。

 出版労連教科書対策部事務局長の吉田典裕さんは、侵略戦争美化勢力がつくった自由社・育鵬社の教科書が、沖縄戦を「軍国美談」として描き、復帰後の沖縄のことにはまったくふれていないことを紹介しました。

 子どもと教科書全国ネット21事務局長の俵義文さんが、今年の中学校教科書採択をめぐる動きなどを報告。自由社や育鵬社の教科書の内容を知らせ、採択に反対する世論を広げることを訴えました。





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