2011年6月4日(土)「しんぶん赤旗」

TPP 復興つぶす

ワカメ93% サケ・マス63% 減少

紙議員 「被災産地を救え」


 日本共産党の紙智子議員は3日の参院予算委員会で、農林水産・商工業者の実態をもとに2次補正予算案の早期編成を求めるとともに、「復興への意欲を踏みつぶす環太平洋連携協定(TPP)への参加はやめるべきだ」と迫りました。


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(写真)質問する紙智子議員=3日、参院予算委

 紙氏は、「秋のサンマにしてもワカメの種付けにしても一刻も早くやらないと1年間収入がなくなる」など切実な声を紹介しながら、「一刻も早く2次補正予算を出さないと町に人がいなくなってしまう」と追及。鹿野道彦農林水産相は、「市町村、県の意見を聞きながら対処すべく取り組んでいる」と答えました。

 紙氏は、復興対策が急がれているのに、政府からは日本の農漁業を壊すTPPの「交渉参加を早期に」という話が浮上していることに被災地からは怒りの声があがっていると批判。関税が撤廃された場合の影響をただすと、鹿野農水相は、水産物の生産減少額は4200億円、漁業関連産業の就業機会の減少数は10万3千人に及ぶと答えました。

 紙氏は、農水省の「国境措置撤廃による水産物生産等への影響試算」(図)を示し、関税撤廃で、ワカメがほぼ全滅、コンブが7割減、サケ・マスが6割減など壊滅的被害を及ぼすことを指摘。こうした品目の生産量の上位を担っているのが宮城、岩手の被災県だと述べ、「TPPで日本の水産業を壊滅させることになる」と交渉参加の断念を求めました。

 鹿野氏は紙氏の追及に「私自身は、今は復旧・復興、原発事故対応に全力をあげる」と述べざるをえなくなりました。

 菅直人首相は、「漁業の盛んな東北の実情やみなさんの思いも大事にしたい」と述べながらも、EU(欧州連合)などとのEPA(経済連携協定)交渉をあげ「いろいろな状況を総合的に判断したい」と答えるにとどまりました。

 紙氏は、「TPP交渉参加は復興へのブレーキを踏むものだ」と厳しく指摘しました。

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