2011年6月2日(木)「しんぶん赤旗」

原発作業員の健康守れ

高橋議員要求 厚労相「万全期す」


写真

(写真)質問する高橋ちづ子議員=1日、衆院厚生労働委

 日本共産党の高橋ちづ子議員は1日の衆院厚生労働委員会で、福島第1原発事故で緊急作業に従事する労働者の健康管理に万全を期し、被ばくの上限基準や労災認定の基準を改めるよう求めました。小宮山洋子厚労副大臣は、従事した労働者7829人中内部被ばく量を測定したのは約1800人であることを明らかにし、「測定されていない方が多いことは大変遺憾だ」と答え、指導の徹底を約束しました。

 高橋氏は、原発労働者の労災認定基準について白血病しか対象にならないことを指摘し、同基準の見直しを要求。「5・2ミリシーベルトでも白血病を発症した人もいる」とのべ、緊急作業における被ばく線量の上限基準(250ミリシーベルト)を見直すことを求めました。

 細川律夫厚労相は、上限基準について健康にただちに影響はないとしつつも、「線量が増えると中長期的な影響が生じるリスクが増大する。健康確保に万全を期す」と答弁。労災基準の見直しの「検討」に言及しながら、「ただちに改めることはない」と答えました。

 被ばく量を警告するアラーム(警報器)の改良など、労働環境の改善を求めた高橋氏に小宮山氏は、1日の被ばく線量が1ミリシーベルトを超える恐れのある作業を事前届出制にしたと明らかにしました。

 高橋氏が、放射性物質による食品汚染に関する暫定基準値について、「データの不十分な中での緊急措置であり、内部被ばくのリスクや乳幼児、子ども、妊産婦の健康影響評価などは検討されていない」とただしました。食品安全委員会の栗本まさ子事務局長は「7月ごろにはとりまとめを行う」と答えました。細川厚労相は「食品安全委員会の評価も踏まえ、厚労省としてしっかりとした基準値を決めたい」と答えました。





■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp