2011年5月30日(月)「しんぶん赤旗」

パレスチナ国連加盟要請へ

アラブ連盟 米の拒否権が焦点


 【カイロ=伴安弘】アラブ連盟(21カ国と1機構で構成)の中東和平プロセス委員会は28日、9月の国連総会がパレスチナ独立国家を国連の正式加盟国として承認するよう要請することを決定しました。

 同委員会は声明で、「1967年の境界線に沿って、東エルサレムを首都とするパレスチナを、(国連の)フルメンバー(正式加盟国)として認めるよう国連総会で要請することを決定した」と述べています。

 67年の境界線に基づく国家承認とは、第3次中東戦争でイスラエルが占領した東エルサレムを含むヨルダン川西岸地域とガザ地区を将来のパレスチナ国家の領域とすることを指します。

 オバマ米大統領は19日の演説で67年の境界線に基づくイスラエルとパレスチナの和平交渉を提唱。しかし、国連でのパレスチナ国家承認は「イスラエルを孤立させる」として反対しています。イスラエルは67年の境界線に基づいた国境画定を拒否しました。

 この日の委員会で、パレスチナ解放機構(PLO)のアッバス議長(自治政府議長)は、「国家承認を得るためには国連を使う以外にない」「この決定は真剣なものだ」と強調しました。

 PLOは現在国連のオブザーバー組織です。国連総会で正式参加国として承認されるにはその前に国連安保理の勧告が必要です。このため、米国がこれに拒否権を発動するかどうかは国連での重大な問題になります。

 委員会の議長を務めたカタールのハマド首相は、イスラエルとの交渉について、「現状ではパートナー(イスラエル)が和平に応じるまで和平交渉を凍結する方が良い」と指摘。アラブ連盟のムーサ事務局長も同様の見解を明らかにしました。





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