2011年5月28日(土)「しんぶん赤旗」

原発推進・脱却を併記

G8サミット 首脳宣言を採択


 【ドービル(フランス)=山田俊英】26日から当地で開かれていた主要8カ国首脳会議(G8サミット)は27日、原子力の安全や世界経済、中東情勢などについて討議内容をまとめた首脳宣言を採択しました。原発問題で安全性の向上について一致したものの、今後の原子力利用に関して「段階的な導入、廃止を含め各国が異なったやり方をとることを認める」と表記。将来の見通しを示せませんでした。

 東京電力福島原発事故を受けてサミットでは原発問題が主要議題となりました。原発から完全に脱却することを目指すドイツや新規計画を凍結するイタリアに対し、フランス、米国、ロシアが原発利用に固執。菅直人首相も会議の中の発言で原発依存を続ける考えを示しました。結局、地球環境の重要なテーマである原発について先進工業国の一致した立場を打ち出せませんでした。

 首脳宣言は原発の安全性を「絶えず見直していく必要」を指摘し、「福島の事故から教訓を学ぶことが重要だ」と明記しました。そのため、世界各国の原発をできる限り早く、同一の基準で安全点検するよう呼びかけました。また、国際原子力機関(IAEA)や原子力安全条約の強化を求めました。具体的には6月にウィーンで開かれるIAEAの閣僚級会議で検討を始めます。

 サミットはさらにエジプト、チュニジア首脳と民主化について協議、アフリカ諸国首脳とも対話し、27日、閉幕しました。





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