2011年5月25日(水)「しんぶん赤旗」

福島原発事故

汚染がれき処理 東電負担で

参院委で市田氏 環境相が原因者認める


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(写真)質問する市田忠義議員=24日、参院環境委

 日本共産党の市田忠義議員は24日の参院環境委員会で、福島第1原発事故の影響で放射性物質に汚染されたがれきなどの災害廃棄物について、政府に汚染原因者を東京電力だと認めさせた上で、東電の責任と負担で処理させるよう迫りました。

 松本龍環境相が、汚染原因者は「東京電力だ」と答弁したのをうけて、市田氏は、原発事故に起因する被害は東電に全面賠償させるという見地から、原子力損害賠償紛争審査会の第1次指針では検討されていなかった汚染された廃棄物も東電の費用で処理すべきだと強調。環境省の廃棄物・リサイクル対策部の伊藤哲夫部長は「東電の責任は免れない」と述べました。この問題で汚染原因者の責任を認めさせたのは初めて。

 市田氏は、福島原発のプラントを建設した東芝(内部留保1・61兆円)や日立製作所(同2・28兆円)などにも応分の責任と費用負担を求めるべきだと強調しました。

 市田氏は、放射性物質に汚染された災害廃棄物の処理方法が、原子炉等規制法や廃棄物処理法に規定されていないのは、過酷事故は起こらないとする「安全神話」につかってきたからだと指摘。「福島原発の事故を契機に、人の健康と生活環境を守る立場から環境行政の抜本見直しをはかるべきだ」と主張しました。

 松本環境相は、「法律の問題も検討していかなければならない」と述べました。

 処理方法を検討している環境省の災害廃棄物安全評価検討会は、がれきの放射線量が会津地方と同程度以下の市町村に通常の処理を認める方向性を打ち出しています。

 市田氏は通常、放射性廃棄物だとする判断基準は毎時0・001マイクロシーベルト以上だが、がれきの仮置き場での最大値は4・04だと指摘。「基準より大幅に高い線量の災害廃棄物を、フィルターもない自治体の焼却炉で安全に処分できるのか」とただしました。伊藤部長は「処理の方法は今後の検討課題」などと答弁しました。





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