2011年5月24日(火)「しんぶん赤旗」

福島2・3号機

汚染水 数日で満杯

移送中断へ 海・地下水への流出懸念


 東京電力は23日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で、2、3号機のタービン建屋地下などにたまった高濃度の放射能汚染水の移送作業を継続して実施しました。しかし、汚染水の移送をこのまま続けると、数日程度で移送先の集中廃棄物処理施設が満杯になることが明らかになっており、今後、移送中断で汚染水が海などへ流出する危険性が懸念されます。

 東電によると、現在2、3号機からそれぞれ毎時12トン、同20トンのペースで移送。2号機は1万トン、3号機は4000トンを移送する予定ですが、移送先は3、4日後に予定量に到達する見込み。満杯になれば、汚染水の浄化システムが導入される6月中旬くらいまで移送を中断せざるをえなくなります。

 東電は、タービン建屋地下などの水位が「それほど急激に上昇することはない」と説明。海への流出を防ぐ工事をしたといいます。しかし、原子炉に注水した一部が漏れ出して、タービン建屋地下へ流入するなど、今後も汚染水の増加が続くとみられており、そこからさらに海や地下水へ流出する事態が懸念されます。

 一方、4号機では使用済み核燃料貯蔵プールを支える壁の損壊が心配されているため、同日、支持構造物の設置準備作業をおこないました。原子炉建屋2階の原子炉冷却材浄化系の熱交換器室の片付けや、遮へい材の取り付け、足場の組み立てなどを実施。来月にも鋼製の支柱を設置したいとしています。

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