2011年5月19日(木)「しんぶん赤旗」

ベトナム 外資系企業でスト増

権利無視 低賃金


 【ハノイ=面川誠】ベトナム労働総同盟のマイ・ドゥク・チン副議長は17日、ハノイで開かれた労組の会議で演説し、今年はスト件数が急増するとの見通しを示しました。とりわけ外資系企業での労働争議が増えているといいます。

 チン氏は、雇用主による労働者の権利無視と低賃金がストの原因だと指摘。「インフレによって労働者の生活がますます苦しくなっている」と語りました。

 昨年の消費者物価上昇率は11・75%。今年に入っても上昇が続き、4月の上昇率(昨年同期比)は17・51%に達しました。

 総同盟の調査によると、昨年起きたストは424件。今年は3月末までに220件のストが発生しています。

 労働者・労組研究所のレ・タイン・ハー副所長は同じ会議で、「雇用主は労働者の知識不足を悪用して、権利擁護のない雇用契約を結んでいる」と指摘。違法な懲罰や社会保障の企業負担分未払いが多発していると述べました。

 同研究所の調査によると、外資系企業のうち労働法を順守しているのは60%にとどまっています。

 昨年、外資系企業でのスト件数は339件で、全体の約8割を占めます。このうち、台湾系が128件で最も多く、続いて韓国系109件、日本系26件の順です。





■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp