2011年5月17日(火)「しんぶん赤旗」
IMF専務理事逮捕
性的暴行容疑、本人は否認
NY市警
【ワシントン=西村央】ニューヨーク市警察は15日、国際通貨基金(IMF)のストロスカーン専務理事を、宿泊先のホテル従業員への性的暴行容疑で逮捕しました。同専務理事の弁護士は、本人は容疑を否認すると述べています。米メディアが15日、いっせいに伝えました。
報道によると、事件があったのは14日午後、ニューヨーク市内中心部のホテルで、客室係の女性が同専務が宿泊していた部屋に入った際に性的暴行を受けたとされています。ホテル側からの通報を受けて捜査員が駆け付けた時は、同専務理事はホテルから去った後でした。
市警スポークスマンは、同専務の携帯電話がホテルの部屋に残っていたことから、「逃亡と認識した」と述べています。
同専務理事が捜査員に同行を求められたのは、市内のジョン・F・ケネディ空港からパリに向かうため乗り込んでいたエール・フランス機内で、同機は離陸寸前でした。
同専務はフランス出身で2007年11月に就任。08年10月には、部下の女性と性的関係を持ち、その後この女性に厚遇をはかるなど職権乱用があったとの疑いが持たれました。この件について、IMF理事会は調査のうえで、職権乱用はなかったとしたものの、女性との関係については「深刻な判断ミスであり遺憾」との見解を出していました。
同氏は、来年4月の仏大統領選挙では、最大野党社会党の最有力候補ととりざたされていました。そのため、今回の事件は、仏政界にも影響を及ぼす可能性があります。
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