2011年5月12日(木)「しんぶん赤旗」

社保庁職員の分限免職口頭審理

解雇の回避努力せず

厚労省 答弁不能に


 社会保険庁職員の分限免職(解雇)の撤回を求めて不服審査請求をした職員の口頭審理が11日、人事院で開かれ、処分者側の厚生労働省の証言者と、請求者側の証人、請求者本人の証言が行われました。これで3日間の審理を終了しました。

統一基準なし

 社保庁の日本年金機構への移行にともない、職員の厚労省への転任手続きなどにかかわって、人事調査官が証言しました。

 面接要領では任用基準をA〜Eの5段階で評価することになっていましたが、そのうちもっとも数が多いC評価について、9人いる面接官が2〜4段階で任意に細分化して評価。C評価の中で低い評価をされた職員が分限免職されました。人事調査官は、C評価を細分化したさい、その内容は、面接官の個人的な判断によるものと語り、面接官同士で、判断内容をすりあわせることもなかったとのべ、統一的な基準で判断していなかったことが改めて明らかになりました。

 また、分限免職の回避努力にかかわって、厚労省人事課に担当者がいたかと質問されると、答弁できなくなり、担当者が不在のまま、まともな努力がなされなかったことが示されました。

突然の処分

 続いて、請求者側の全厚生労働組合の飯塚勇顧問が証言。処分歴にされている業務目的外閲覧は長年禁止されていなかったと主張。また不正免除問題では、保険料納付率を上げるために出された方針だったと指摘しました。こうした実態だったにもかかわらず、多くの職員が突然処分され、その処分によって、年金業務を継承した日本年金機構に応募することができなかったと批判しました。

 また年金記録問題は、年金制度、歴史、組織など複合的な要因で起こったものと指摘。それを職員個人の責任とされ、職場まで奪われるのは異常だとのべ、分限免職の取り消しを求めました。

国民の要請

 国公労連の川村好伸副委員長は、国家公務員は公務の安定的、中立的な運営をはかる職務であるために、身分が保障されているとし、そうした保障のもとで仕事をすることは国民からの要請だと語りました。また他省庁で余剰人員が発生した際も、省庁間配転などで解決し、免職者を出さなかった事実にふれ、今回の分限免職の不当性を訴えました。

 請求者の男性2人が証言しました。1人は、C評価の基準について、客観的で、公平とは思えず、「面接者の心象にすぎないのではないか」と主張しました。不服審査請求した理由として、「免職にいたるプロセスが見えない。なぜ自分が免職されたのか、知りたかった。復職して、また仲間と肩をならべて仕事をしたい」と語りました。

 もう1人の請求者は、2008年7月の閣議決定で、処分歴のある職員が日本年金機構に応募できなくなったことについて、「厳しい結果になり、不安がつよくなった」と証言。また、社保庁に入職した理由について、「社会保障分野が国民生活で重要になると感じ、公共福祉の仕事につきたいと思った」と語り、「公務員として勤務し、人生を送りたい」とのべました。





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