2011年5月7日(土)「しんぶん赤旗」

沖縄・米軍嘉手納基地

離着陸3割が外来機

負担軽減の保証なし


 沖縄の米空軍嘉手納基地で航空機の離着陸などの回数(タッチ・アンド・ゴー、通過、旋回を含む)が2010年度で4万4900回に上り、このうち、同基地に常駐しない「外来機」によるものが31・3%の1万4050回に達することがこのほど分かりました。沖縄防衛局が初めて実施した運用実態調査(目視調査)によるものです。

 確認された主な外来機は、FA18戦闘攻撃機やAV8攻撃機をはじめ、米本国の基地にしか配備されていないF22戦闘機など。空中給油機や輸送機、偵察機なども飛来しています。

 全回数のうち最も多いのは、嘉手納基地常駐の戦闘機以外の航空機で1万7726回(39・5%)、次いで常駐の戦闘機(F15)1万3067回(29・1%)、外来の戦闘機7692回(17・1%)、外来の戦闘機以外6358回(14・2%)、外来機か常駐機か判別できなかった航空機57回(0・1%)の順になっています。

 ただし、調査時間は午前6時から午後6時までに限定されています。

 特徴は、今年に入り、常駐機の回数が減る一方、外来機が急増していることです。3月には、常駐機2051回、外来機2042回とほぼ同じ回数になっています。また戦闘機に限ると、外来機は2月が1248回、3月が1462回、常駐機は2月760回、3月562回と、外来機が大きく上回っています。

 日米両政府は2006年の在日米軍再編合意に基づき、嘉手納基地常駐の戦闘機による訓練の一部を県外の航空自衛隊基地に移転しました。しかし、嘉手納基地では外来機の訓練が逆に増え、負担軽減どころか負担増になっていると告発されてきました。

 外来機飛来の大きな要因の一つには、沖縄周辺の海空域に、広大な米軍専用の訓練区域が存在している問題があります。同区域では、空対空、空対地など、実弾射撃も含んだ各種の戦闘訓練が頻繁に行われています。

 米軍が自由に使える広大な専用訓練区域が存在する限り、外来機の飛来・訓練はなくならず、常駐機の訓練を移転しても負担軽減につながる保証はありません。

グラフ




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