2011年5月3日(火)「しんぶん赤旗」
憲法施行64周年記念日にあたって
日本共産党 市田書記局長が談話
日本共産党の市田忠義書記局長は、3日の憲法記念日にあたって、次の談話を発表しました。
一、今年の憲法記念日は、未曽有の大震災と史上最悪というべき原発事故のなかで迎えました。日本共産党は、文字どおり「国難」ともいうべき大災害で犠牲になられた方がたに、あらためて心から哀悼の意を表明するとともに、いまなお避難所での厳しい生活を余儀なくされているすべての方がたにつつしんでお見舞い申し上げます。
一、被災者の方がたが一日も早く平穏な生活に戻るために、また、被災地の全面的な復興のために日本の総力を結集しなければなりません。被災者への支援と被災地の復興にあたっては、なによりも「人間の復興」という見地を大原則・大前提とすることが求められます。いまこそ日本国憲法の先駆的な原理・原則を生かさなければなりません。
憲法は、基本的人権を「侵すことのできない永久の権利」(第11条)と定め、「個人としての尊重」「幸福追求の権利」(第13条)、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(第25条)を明記し、国は「すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」(同)と義務づけています。避難所での生活向上や仮設住宅の手当てはもちろん、被災者の住宅再建にあたっても憲法のこの精神を全面的に貫くことです。現在、災害などによって住宅が全壊した被災者にたいする個人補償制度がつくられていますが、これを抜本的・飛躍的に拡充するとともに、生業の再建についても公費助成を制度化すべきです。
一、被災地の復旧・復興にあたっては、「復興の土台は被災者の生活再建」という見地に立つべきです。そのために、日本国憲法の地方自治の精神を全面的に発揮することが求められます。具体的には、「計画は住民合意で、実施は市町村が主体に、財源は国が責任を持つ」という原則を貫くことです。住民や被災自治体がみずから復興計画をたて、地域社会の再生を展望することは、それ自体が被災した人びとの生きる力となるものです。国が上から復興計画を押しつけるやり方は絶対にとるべきではありません。
一、日本共産党は、被災者支援と被災地復興に、憲法の精神と原理を全面的に生かすことを強く求めるとともに、「国難」の打開のために党の総力をあげて取り組む決意を重ねて表明します。