2011年5月1日(日)「しんぶん赤旗」
アフガン戦争
“成果あっても脆弱”
米国防総省が報告書
【ワシントン=小林俊哉】オバマ米大統領が7月に駐留米軍の撤退過程を開始すると公約しているアフガニスタン戦争をめぐり、国防総省は29日、同国情勢に関する報告書を米議会に送付しました。軍事作戦での“前進”はあるものの、「脆弱(ぜいじゃく)であり、覆る可能性がある」としています。
爆弾テロも増加傾向
同報告は、年2回の報告が義務付けられている「アフガンの安全と安定に向けた前進に関する報告」と、年1回の報告が必要な「アフガン国軍の維持に関する米国の計画」の2本です。
報告は、米軍の増派とアフガン国軍の軍事作戦によって、反政府武装勢力タリバンの支配地域を奪還するなどの「明確な前進があった」と強調。「成果はもろいものの、この半年間につくりだした勢いで、今夏に7地域でアフガン国軍への治安責任の移譲を開始するのに必要な条件を確立した」としています。
一方で、爆弾テロなどの暴力事件は、この半年で増加しているとしています。
オバマ氏は「アフガニスタン戦争は、新しい局面に入りつつある。治安責任をアフガン国軍に移譲し、今夏には駐留米軍を削減し、アフガン国民との長期的パートナーシップを構築する」(28日)と述べています。
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