2011年4月29日(金)「しんぶん赤旗」

1次補正の財源 年金財源穴埋めの問題点

消費増税に直結


 国会では28日、東日本大震災の復興に向けた2011年度第1次補正予算案の審議が始まりました。菅政権は復興財源として、基礎年金の国庫負担引き上げにあてる予定だった財政投融資特別会計の剰余金など「埋蔵金」2・5兆円の流用を検討しています。

 穴があく基礎年金財源については、当面は年金積立金の取り崩しで対応し、その後は消費税増税を柱とした税制「抜本改革」で手当てするとしています。

 基礎年金はすべての国民が加入する年金制度の一番の土台です。民主党は、税制「抜本改革」で確保する財源で穴埋めするので、今回の対応で年金財政に影響は生じないとしています。

 しかし、年金財源が確保できなければ、いずれは年金保険料や給付額にしわ寄せがくることは避けられません。国民の年金不安を深刻にするものです。

 同時に、年金財源流用の埋め合わせを税制「抜本改革」でまかなうとしていることも問題です。

 27日に再開された「税と社会保障の一体改革」に向けての政府の集中検討会議でも、論点整理として示された「税負担のあり方」は、「(財源は)消費税が重要である」「消費税率の引き上げについては先送りすべきではない」などの意見が列挙されています。

 年金財源の流用が、消費税増税と結びつく危険は明らかです。

 消費税は低年金者や無年金者からも税金をとるもので、年金財源として最もふさわしくない税金です。震災の復興にとっても、消費を冷え込ませるなど経済への影響も大きく、復興の障害ともなります。

 年金財源をめぐっては、自公政権時代に国庫負担を2分の1に引き上げるという口実で、所得税の定率減税廃止(2・5兆円)などの庶民増税が強行された歴史があります。

 自公政権は、増税分を法人税減税や証券優遇税制などの大企業・大資産家優遇に投入して、国庫負担引き上げを先送り。あげくに法律に明記された年金引き上げ期限が迫ると、「埋蔵金」で補てんし、2011年度以降は消費税増税を柱とした税制の「抜本改革」で財源を確保するとしました。

 当時、民主党は、こうした自公政権の対応を「無責任で場当たり的な年金改革」(梅村聡参院議員)と批判しました。しかし、民主党政権の11年度予算案は、自公政権時代以上の法人税減税(1・5兆円)を盛り込む一方で、年金の国庫負担の引き上げは相変わらずの「埋蔵金」頼みで、結局、消費税増税頼みとなっています。

 年金財源をめぐる民主党の対応は、消費税率を上げなければ基礎年金の国庫負担引き上げを手当てしないという、国民の老後の安心を盾に、新たな増税を迫る自公政権の手法を踏襲したものです。

 法人税減税はそのままに年金財源に穴をあけ、その穴埋めに低年金者や無年金者、震災の被災者にまで新たな負担をかぶせる消費税増税を押し通そうという、二重三重に国民を欺くやり方です。 (佐久間亮)





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