2011年4月28日(木)「しんぶん赤旗」
シリアへの非難強まる
欧州諸国 暴力的弾圧に「制裁を」
【カイロ=伴安弘】シリアのアサド政権が反政府デモを武力で徹底して押さえ込む姿勢を明確にしたことに対し、欧州各国をはじめ国際的な非難の声が強まっています。
サルコジ仏大統領と会談したイタリアのベルルスコーニ首相は26日、共同会見で「われわれは平和的なデモに対する暴力的弾圧を終わらせるようシリア政府に呼び掛ける」と述べました。フランスはシリアに対する「強い措置」をとるよう国連と欧州連合(EU)に要請しました。
ドイツのローゼンタール外相は、EUがシリアへの援助停止と武器禁輸、シリア指導部への制裁を実施するよう提案しました。英国のヘイグ外相は「暴力が続くならシリアに対する制裁を科す」と述べました。
国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長もシリアでのデモ弾圧を非難しました。
一方、アラブ諸国でも非難の声が出ています。アラブ連盟(21カ国と1機構、リビアは資格停止)は25日、名指しを避けながら「表現の自由と民主主義を求めるデモ参加者に対する暴力の行使を深く懸念する」と表明しました。
アサド政権は25日に南部ダラアに戦車部隊を投入したのに続き、26日には首都ダマスカス郊外のドゥマにも治安部隊とともに政府軍を投入しました。ダラアでは26日にも6人が殺害されました。このなかでも反政府デモが起きています。
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