2011年4月25日(月)「しんぶん赤旗」

ギリシャ経済 悪循環に

救済策失敗の恐れも


 財政悪化のギリシャ政府が欧州諸国などに融資を求めてから23日で1年です。経済・財政状況は依然厳しく、英メディアは「救済策失敗の恐れ」も指摘しています。(ロンドン=小玉純一)


 「状況は行き詰まっている。債務再編をした方がいい」「ギリシャは悪循環に陥った。景気を後退させるだけの政策では危機から抜け出せない」―。日曜紙オブザーバー17日付は、ギリシャ国会の経済委員会委員長や与党内の声を伝えました。

 経済の落ち込みが予測以上です。英『エコノミスト』誌9日号によれば、GDPは2010年4%減の予測が実際は4・5%減。11年2・5%減の予測も3・2%減の見込みです。失業率も09年9%から10年14%へ上がりました。

 3年間で1100億ユーロ(約13兆2000億円)という欧州諸国や国際通貨基金(IMF)の融資は、緊縮政策実施措置が条件でした。パパンドレウ政権は年金支給削減などを実行しました。

 オブザーバー紙は、「1100億ユーロ融資が財政危機から国を救えず、無駄な緊縮(を強いられる)時代に人々を陥れる恐れが高まっている」と指摘。『エコノミスト』も「ギリシャ救済の国際的計画がギリシャ経済をまひさせている」と伝えています。

 結局、ギリシャの10年財政赤字は、当初目標のGDP比8・1%から大きく離れた10・6%。財務残高はGDPの145%にも上り、国債の格付けもさらに下がりました。20日には金融市場で“債務再編近し”のうわさも流れ、10年債の利回りが15%に迫りました。1年前より約6ポイント高い水準です。パパンドレウ首相が22日、「格付け機関が国の運命を決めようとしている」と非難する事態となっています。





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