2011年4月20日(水)「しんぶん赤旗」

民主が2次補正予算案

財源に「復興再生債」


 民主党は19日までに、2011年度2次補正予算に向けての考え方を各党に示しました。財源には、従来の国債とは別に管理する「復興再生債」を発行することを打ち出し、法人税減税を盛り込んだ11年度税制「改正」案の検討などを盛り込みました。歳出では、「子ども手当の制度的あり方の見直し」として制度の検討を示唆しています。

 民主党は、基礎年金の国庫負担を2分の1に引き上げるための財源2・5兆円を1次補正予算案の臨時財源とする考えです。これについても2次補正予算に向けての考え方では、復興財源として活用して穴があいた年金財源には、「税制抜本改革により確保される財源を活用」するとしています。

 11年度予算の財源を担保する特例公債法案は野党の反対で成立のメドが立っていませんが、年金の国庫負担財源を活用するためとして、「第1次補正予算と同時に成立するよう協力をお願いしたい」として、復興財源確保を理由に成立を狙っています。

解説

消費税増税にレール

 民主党が示した復興財源の考え方からは、復興財源の議論を通じて、消費税増税につなげたいという菅直人首相の狙いがうかがえます。菅首相は震災前まで、社会保障を口実に消費税増税を押し付けることをねらっていましたが、今回、年金の国庫負担引き上げ財源を復興財源に回すため、消費税増税を含む「税制抜本改革」で穴埋めをしようというものです。

 枝野幸男官房長官は19日の記者会見で、民主党内で「復興再生債」の償還のために消費税増税が検討されていることを認め、玄葉光一郎国家戦略担当相は、消費税増税を前提に、「被災地への配慮」まで言い出しています。

 消費税増税は、被災者にも重くのしかかるだけでなく、経済活動に大きな影響を与え、復興の障害となりかねません。

 民主党の考え方には、法人税減税と証券優遇税制による大企業・大資産家への2兆円の減税バラマキについては「与野党間で結論を得る」とあるだけできっぱり見直す姿勢はありません。

 歳出でも、5年間で1兆円の米軍への思いやり予算や10年間で5500億円を投じる大型港湾建設など、不要不急の事業にメスは入っていません。320億円の政党助成金もそのままです。

 復興財源を考えるならまず、予算のムダと大企業・大資産家減税にこそメスをいれるべきです。(山田英明)





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