2011年4月19日(火)「しんぶん赤旗」
日航不当解雇裁判
“震災で人員不足”原告陳述
解雇者を職場に戻せ
第2回口頭弁論 東京地裁
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日本航空に不当解雇撤回を求める裁判は18日、パイロットの第2回口頭弁論が東京地裁(渡邉弘裁判長)で行われました。山口宏弥原告団長(59)が意見陳述で、東日本大震災の復興支援に貢献するためにも解雇された労働者を職場に戻すよう訴えました。
東日本大震災後、日航は東北地方に臨時便を運航させましたが、3月24日に24便、25日に32便、臨時便と同数の定期便を欠航させています。
山口団長は、「全日空が臨時便を設定しても、定期便のほとんどを通常通り運航していたのとは対照的だ。人員削減の影響が出ている結果だ」と指摘しました。
安全の問題についても、企業理念から「安全」の文字が消え、イレギュラー(異常)が続発したため、2月18日に運航乗員部長が「外部から安全運航体制に疑問を抱かれても仕方がない状況」と認識を示しているとして、「整理解雇は無謀なものだ」と強調しました。
原告代理人の長尾詩子弁護士は、日航が今後7年にわたって分割弁済する予定の負債3951億円を、3月28日までに繰り上げて一括弁済し、3月31日に全グループ社員に「生活調整手当」という名の一時金を支給したことをあげて解雇しなければたちゆかない状況になかったことを指摘し、解雇回避努力の義務を果たしていないと主張しました。
また、会社側が稲盛和夫会長の「160人を残すことが経営上不可能ではない」という発言に合理的な説明をしようとしないことから、長尾弁護士は「会社側の訴訟態度は、整理解雇4要件をみたしていないことの自白だ」と強調しました。
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