2011年4月18日(月)「しんぶん赤旗」

危機打開へ 共産党の論戦と行動 (下)

税・財政 従来の枠こえ暮らし支援を


内部留保還元し震災復興国債を

 復興財源について日本共産党は、法人税減税・証券優遇税制の中止やムダづかいの見直しとともに、大企業の内部留保の還元として、「震災復興国債」を発行して、大企業に引き受けを要請すべきだと求めてきました。志位和夫委員長との会談で菅首相は「検討させていただきたい」と表明しています。

 国会でも、「法人税減税をやめ、復興のための財源にまわすべきだ」(3月25日の衆院財務金融委員会)と求めた佐々木憲昭議員にたいし、野田佳彦財務相は「今の指摘を踏まえて検討する」と答えました。

 穀田恵二議員は3月25日の国土交通委員会で2020年までに5500億円をつぎ込む巨大港湾をやめ災害復旧に回すべきだと追及。笠井亮議員は同30日の外務委員会で、米軍「思いやり予算」特別協定に反対し、「米軍より被災者支援を」とただしました。

国債引き受け大企業などに

 財源問題で、日本銀行による国債引き受けが取りざたされていることについて、大門実紀史議員が「日銀引き受けは必要ない。余剰資金を抱える大企業、大資産家に引き受けを求めるべきだ」と主張しました(同25日の参院財政金融委員会)。

 日銀の白川方明総裁は、「(日銀引き受けは)誤ったメッセージとなり、国債の安定的な発行という復旧・復興にとっての大事な基盤が崩れる」と答えました。

被災者などへの税・金融支援を

 震災で被害をうけた中小業者などにたいする納税や債務の免除で大門議員は、3月30日の参院財政金融委員会で「従来の枠組みを超えた対応」を要求。桜井充財務副大臣は「中小企業、漁業、農業の再生を考えなければならない」と答弁。野田財務相は「滞納処分の停止もある」と表明しました。

 納税について十分な納付期限の延長や、住宅ローンのリスケジュール(借り入れ条件等の変更)を求めたのは、佐々木議員。野田財務相は、「申請に基づき猶予できる。猶予期間にたいする延滞税は免除される」と明言(同25日)しました。

 高橋ちづ子議員は3月28日の衆院災害対策特別委員会で、災害による家財破損などの被害があった場合に所得税を還付する雑損控除等について、さかのぼっての還付と「簡便法」の適用を求めました。

 尾立源幸財務政務官は、所得税の控除や減免については「10年の所得から還付できるようにする」と明言。「簡便法」も「検討する」と答えています。

塩害の補償・支援金を検討

 震災と原発事故の被害を受けた農林水産業には、補償とともに復旧へ従来の枠を超えた対策を求めています。

 高橋議員は同28日の衆院災害対策特別委員会で、水田が塩害で2年以上も使えないと指摘し、「転作もできない。補償を考えるべきだ」と提起。筒井信隆農水副大臣は、生活支援を「戸別所得補償で対応できないか検討する」と答弁。農水省は支援金の具体策を検討しています。

水産業復興へ抜本的対策を

 水産業については、紙智子議員が同25日の参院農林水産委員会で「従来の枠を超えて政府あげて取り組むべきだ」と要求。共同利用する5トン未満の小型漁船建造への補助金についても「5トン以上も含めた抜本的な対策が必要だ」と迫りました。

 篠原孝農水副大臣は「漁船の再建は漁業・漁村復旧の一番重要な要素。今までにない方策を検討している」と答えました。

社会保険料を1年間免除へ

 山下芳生議員は4月12日の参院総務委員会で、中小企業の窮状を示し、「社会保険料の事業主負担を減免すべきだ」と迫りました。片山総務相は、「共感する。該当省庁に伝える」と答弁。政府は被災企業の社会保険料を1年間免除する方向です。 (おわり)





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