2011年4月18日(月)「しんぶん赤旗」

政府の集中検討会議

消費税増税に異常な執念


与謝野経財相 ケジュール通りやる

 「税・社会保障一体改革」の名で消費税増税を狙う政府の「集中検討会議」。これまで4回の会合を重ね、東日本大震災により現在は「中断」状態となっていますが、同会議を実質的に仕切る与謝野馨経済財政担当相が15日に再開を明言するなど動きが急となっています。

 与謝野氏は15日の会見で、当初4月中としていた「社会保障改革案」の取りまとめを5月に先送りする意向を示す一方、「税制改革」案については、「遅れるわけではない」と述べ、予定通り6月中に策定すると表明。検討会議についても4月中に再開することを明らかにしました。

 同会議はこの間も完全に中断していたわけではなく、7日には準備作業会合が開催されました。そこで与謝野氏は「この二つ(震災復興と財政再建)は実は国民にとっては一番大事な政策の車の両輪のようなものである。震災対策もきちんとやる。社会保障・税一体改革もきちんとスケジュール通りやる」と檄(げき)を飛ばしたのです。

 これを受け、準備作業会議では「有識者」からのヒアリングも行われましたが、まさに「言いたい放題」の状況に。伊藤元重東京大学大学院教授は、「消費税をもし上げるのであれば上げて、当面は復興に使いながらも、時間をかけて社会保障に替えていくような形にしていかないと」「震災は日本にとって非常に不幸な出来事であったけれども、これを次の新しい動きに結びつける形にできれば」などと述べました。

 慶応大学の土居丈朗教授も、「消費税が社会保障財源としてふさわしい利点を持っている」と指摘するとともに、「復興財源に必要な金額次第では消費税(増税)もあり得ると思っている」と語りました。

 14日に初会合が持たれた「復興構想会議」では、五百旗頭真議長が唐突に「国民全体で負担」する「震災復興税」の創設を打ち出しました。“当面は震災復興のため、その後は社会保障のための庶民増税”――。この間の動きからは、増税勢力のそんな思惑が透けて見えてきます。(小泉大介)





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