2011年4月16日(土)「しんぶん赤旗」

米・原子力艦船 安全総点検し見直せ

米国にモノいえない政府

笠井議員が追及


 日本共産党の笠井亮議員は15日の衆院外務委員会で、福島原発事故にかかわって、横須賀、佐世保、沖縄などに寄港している米・原子力艦船の安全性の見直しを米側に提起するよう求めました。松本剛明外相は、原発事故の原因などを検証するとのべるだけで、米側に見直しを提起することを拒否。対米追随の日本政府の姿勢を浮き彫りにしました。


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(写真)質問する笠井亮議員=15日、衆院外務委

 笠井 福島第1原発事故は「原発は安全だから大丈夫」ということが通用しないことを示した。米・原子力艦船への対応を見直す必要がある。

 外相 原発事故の検証を待つ。

 米側の「米国の原子力軍艦の安全性に関するファクト・シート(説明資料)」は、「原子炉事故、艦外への放射能漏出は極めて想定しがたい」としています。

 笠井氏は「『想定しがたい』という米側の言い分だけで安全性を担保できないのは明らかだ」と追及しました。

 笠井 米側に、総点検し見直せと提起すべきだ。

 外相 現在のところその(米国の)説明は理解できるものだ。

 米側の言い分をうのみにする松本外相に対し笠井氏は、福島第1原発は「警告を無視し続けた結果、重大な事故を招いた」と指摘。佐世保に寄港した原潜ヒューストンによる日本海域での放射能漏れ(2008年)などが発生していることをあげ、原子力艦船の安全性見直しを米側に求めよと強調しました。

 米原子力艦船寄港に関わる放射線測定・モニタリング調査はどうなっているのか―。

 笠井氏は、「艦船から50メートル以内の空気中モニタリングは禁止措置になっている。それを取り決めた密約が存在する」と告発しました。この密約は、07年に日本共産党が調査した米解禁文書で明らかになったものです。

 笠井 昨年の質問で当時の岡田克也外相は「(密約は)あったと類推できる」と答弁している。(密約文書を)調査したのか。

 外相 すべて調べるのは難しい。

 笠井氏は、密約には「50メートル以内で空中モニタリングを行えば、大衆の恐怖や不安を刺激し、原子力推進装置の秘密データを知らせることになる」と書かれていることを紹介。「国民の安全より軍事優先だ」と批判しました。

 「日本として主体的に原子力艦船の安全性を調べようとしないという態度は許せない」。笠井氏はこうのべ、原子力艦船の安全性に関するこれまでの対応の総点検と見直しを求めました。





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