2011年4月15日(金)「しんぶん赤旗」

参院法務委

裁判官増員法案を可決

「大幅増を」井上氏強調


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(写真)質問する井上哲士議員=14日、参院法務委

 参院法務委員会で14日、裁判官を増員する法律案の採決が行われ、全会一致で可決されました。

 採決に先立つ質疑で、日本共産党の井上哲士議員は、10年間で裁判官を500人増員する計画にもとづき進められてきたが、裁判官の負担は増えていることを指摘しました。

 最高裁の戸倉三郎総務局長は、1人の裁判官が1年間に担当する事件数が、東京地裁の場合、10年で180件から280件と増加し、証人尋問の実施率が14・5%から6・1%に、鑑定実施率が1・2%から0・4%に下がっている事実を明らかにしました。

 井上氏は、「裁判官の担当する事件数が増える一方で、審理の迅速化がすすみ、『審理の充実』が犠牲にされている」と指摘し、裁判官の大幅増員が必要だと強調しました。

 戸倉総務局長は、「中長期的に人員体制の充実をはかっていきたい」と述べ、「裁判官の不足で、必要な証拠調べがされないことはあってならない」と答えました。

 井上氏は、地方裁判所支部203のうち、裁判官が常駐しない支部が46もあることを指摘。「住んでいる地域で、裁判を受ける権利に格差があってはならない」と強調したのに対し、江田五月法務相は、「司法の機能を十分に果たせるように最高裁に協力していきたい」と答えました。

 井上氏はまた、東日本大震災の影響で今後、債務整理など民事調停事件の増加が予想されるとして、対策を要求。戸倉総務局長は、「裁判官や職員の増加、応援体制構築などを早期に検討したい」と答えました。





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