2011年4月13日(水)「しんぶん赤旗」

福島原発事故「レベル7」

チェルノブイリ後、初

大気放出放射能量で判断


 東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)から大気中に放出された放射能の量は37万〜63万テラベクレル(テラは1兆)とみられることが12日、わかりました。経済産業省原子力安全・保安院は同日、福島第1原発事故が「国際原子力事象評価尺度(INES)」で最も重大な「レベル7(深刻な事故)」に当たるとする暫定評価を発表しました。


 保安院と国の原子力安全委員会はそれぞれ別の方法で大気中に放出された放射性のヨウ素131とセシウム137の量を推定。ヨウ素131の量に換算した結果、保安院が37万テラベクレル、安全委員会が63万テラベクレルとなりました。どちらも海水などに放出された分は含んでいません。

 国際原子力事象評価尺度では、ヨウ素131に換算して5万テラベクレル以上の放射性物質が外部に放出された場合をレベル7と評価する基準の一つとしています。今回の推定値が基準を上回っていることから、保安院はレベル7としました。これまでの原発事故でレベル7と評価されたのは、1986年に520万テラベクレルの放射性物質を放出したとされる旧ソ連のチェルノブイリ原発事故があるだけです。

 保安院は、1号機が水素爆発を起こした直後の3月12日に「レベル4(局所的な影響を伴う事故)」、同18日に1979年に起きた米スリーマイル島原発事故と同じ「レベル5(広範囲な影響を伴う事故)」とする暫定評価を発表していました。


 国際原子力事象評価尺度(INES) 原発などの事故について、施設内外への影響などにもとづいて評価するための尺度。レベル0からレベル7まで8段階あります。国際原子力機関(IAEA)などが策定したもので、日本政府も1992年に採用しました。

 ベクレル 放射能の強さを表す単位で、1秒あたりに崩壊する原子核の数。





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