2011年4月11日(月)「しんぶん赤旗」

緊縮反対デモ5万人

ハンガリー 欧州各地から集結

福祉国家傷つけるな


 【ロンドン=小玉純一】欧州労連(ETUC)とハンガリーの六つの労働組合は9日、欧州連合(EU)議長国ハンガリーの首都ブダペストで緊縮財政政策に反対するデモを実施し、欧州各地から5万人(欧州労連発表)が参加しました。


 デモ隊は、EU全域に広がる緊縮政策に反対し、「社会的欧州、公正な賃金、雇用を」と呼び掛けました。8、9の両日、同市郊外で開かれたEU非公式財務相会合が、財政が悪化したポルトガルへの融資条件として、緊縮政策や構造改革の実施を求めたことにも抗議しました。

 ETUCのモンクス書記長は、各地から集まった労働者を前に演説。「われわれは雇用と経済成長を求める。福祉国家を傷つけるな。労働者は銀行家の過ちを償わない」と訴えました。

 財務相会合は、EUに融資を要請したポルトガルの状況を討議。9日に発表した声明は、ポルトガルの全政党が「調整プログラム」に速やかに合意し、6月の総選挙後に樹立する新政権がそれを実行するよう求めました。声明によると、財政調整、民営化を含む成長・競争力強化、金融改革がプログラムの3本柱です。

 財政調整について、欧州委員会のレーン委員は、ポルトガル議会が3月に否決した緊縮策が協議の「スタート地点」になると述べました。フィンランドのカタイネン財務相は、「議会が拒否したものより厳しいものでなければならない」と記者団に述べました。





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