2011年4月9日(土)「しんぶん赤旗」

米ウィスコンシン州

公務員の“団交権剥奪法”制定

権利制限 批判強まる


 【ワシントン=小林俊哉】公務員労組の団体交渉権を事実上剥奪する法律を制定した米中西部ウィスコンシン州で6日、州最高裁判事選挙の決選投票が行われました。労働組合や民主党などが支援する新人のクロッペンバーグ州司法長官補の得票が、現職で共和党系のプロッサー判事の得票とほぼ互角となり、共和党主導の同法への批判が強いことを示しています。


州最高裁判事選で争点に

 同選挙は、ウォーカー知事(共和)が推進した公務員の権利制限の是非をめぐる「州民投票」の様相を帯び、全米でも注目されていました。予備選の上位2人が決選投票を行う仕組みで、2月の予備選では、プロッサー判事が大きくリードし、同氏の当選が確実とみられていました。

 しかし、労働者の権利擁護を求める労組や運動団体が、選挙活動を強化し、わずか6週間で猛追。有権者の関心も高まりました。開票結果は最終確定しておらず、僅差の場合は、再集計となる可能性も残っています。

 米労働総同盟産別会議(AFL・CIO)は、クロッペンバーグ氏への支持が急拡大したことを「ウォーカー知事と、団体交渉権に対する彼の攻撃に対する州民による拒否」と指摘しています。

 米ワシントン・ポスト紙は「どちらが勝者になるにしても、ウォーカー知事の行き過ぎによって活気づいた草の根のエネルギーを証明するもの」(7日付)と指摘しています。

 共和党が多数を握る州議会が成立させた公務員労組の権利制限法は、現在、違法性をめぐって司法の場で争われています。最高裁まで係争が持ちこまれる見通しです。

 同州最高裁判事は7人。それぞれ選挙によって選出されます。





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