2011年4月5日(火)「しんぶん赤旗」

ドイツ 賃上げ相次ぐ

「景気回復 労働者の懐まで」

各地でデモ・警告スト


 ドイツの労働組合が現在取り組んでいる“春闘”で、デモや警告ストを行って使用者側に圧力をかけ、3〜5%の賃上げを相次いで勝ち取っています。労組側は「景気回復を労働者の懐まで持ってきた」(鉱山・化学・エネルギー労組=IG・BCE=のバシリアディス委員長)と評価しています。(片岡正明)


 4日までに明らかになったところでは、化学産業分野の55万人の労働者を代表して交渉していたIG・BCEが4・1%、通信会社ドイツ・テレコムと交渉していた統一サービス産業労組(ベルディ)が最大で5・15%の賃上げを勝ち取りました。

 3月31日に合意した化学産業分野では、産業全体でリーマン・ショック以前の黒字レベルにもどっているとして、労組側が7%の大幅賃上げを要求。1900の企業が集まる使用者側団体と交渉を始めました。労組側は各地で集会・デモを開催し、3月24日にラインラントファルツ州ルートウィヒスハーフェンで行ったデモには9000人が参加しました。

 ドイツ・テレコムでは4月1日から、本社の労働者に3・15%、顧客サービスを扱う子会社の労働者に5・15%の賃上げが実施されました。

 ベルディは、テレコム労働者10万5000人を代表して、6・5%の大幅賃上げを求めて1月から交渉を開始。経営者側の2・2%の賃上げ提案に対し、物価上昇などを考慮すれば実際は賃下げだとして拒否しました。一方で、株主配当に毎年34億ユーロ(約4080億円)も払っていると指摘し、株主でなく労働者への配分を拡大せよと要求しました。

 2月中旬から、同労組は全国各地で、2〜3時間、職場放棄をする合法的な警告ストを実施し、経営者側に圧力をかけました。





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