2011年4月4日(月)「しんぶん赤旗」
米下院に核廃絶法案
提出10回目 エネルギー転換も
核兵器を廃絶し、核に向けられていた予算を国民向けに転換するとともに、核エネルギー依存からの脱却を米政府に義務付ける「核兵器廃絶、経済・エネルギー転換法案」が1日、現在開会中の第112議会に提出されました。
首都ワシントン選出のノートン下院議員(民主党)が同日、明らかにしました。ノートン氏は1994年以来、毎回の議会に同趣旨の法案を提出。今回が10回目となります。
今回の法案は、従来「核軍縮」としていた表題を明確に「核兵器廃絶」とし、米政府に核兵器廃絶国際条約の交渉を2020年までに開始するよう求めています。さらに核以外のエネルギー源の利用をすすめるよう新たに求めました。
提出にあたっての議会演説でノートン氏は、米ロによる新しい戦略兵器削減条約(START)の発効を歓迎し、「米国には核兵器のない世界を実現する責務がある」と強調しました。
福島第1原子力発電所の事故については、「核燃料の溶融後、放射性物質が世界各地で検出されている」と述べつつ、「核兵器による攻撃を受けた唯一の国が、自国の核能力の制御で苦闘しているのは痛々しいほどの皮肉である」と述べました。
法案は、93年9月にワシントンの住民投票で56%の賛成を得た提案を基本にしています。