2011年3月28日(月)「しんぶん赤旗」
福祉・雇用奪うな ムダ削れ
緊縮路線反対 ロンドンで25万人
【ロンドン=小玉純一】英国政府の歳出削減計画に反対するデモと集会が26日、ロンドンで行われました。英国放送協会(BBC)は25万人以上、英紙ガーディアンは最大50万人が参加したと報じました。ロンドンで約100万人が参加した2003年のイラク戦争反対デモ以来の大規模行動となりました。
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昨年5月に発足した保守党主導の連立政権は、国内総生産(GDP)比約10%の財政赤字を15年までに解消する計画を打ち出しています。公的部門で22万の雇用が失われるといわれています。
「対案のための行進」と名付けた今回の行動は、労働組合会議(TUC)が主催。同会議のバーバー書記長は「公共サービスを確保して失業者を職に戻し、経済成長と公平な課税を通じて赤字削減を図る計画を呼びかけている」とメディアに話しました。
集会では、最大野党・労働党のミリバンド党首が「これは大いに感動的な瞬間だ」とあいさつしました。
4時間にわたったデモ行進には学生や教員、看護師、病院職員、地方公務員、年金生活者らが世代を超えて参加。家族連れの姿も多くみられ、鼓笛隊やポップ調の音楽に合わせ踊ったりしながら歩きました。
プラカードには「教員をたたくな」「(英国の核ミサイルシステムの)トライデントをカットせよ」「戦争をカットせよ。福祉をカットするな」といった文字が目につきました。
バスで4時間かけて参加したリチャード・ウエストさんは地方で自然保護の仕事をしています。「失業するかもしれない」と先行きの不安を語っていました。
デモでは一部の参加者が店舗や銀行を襲い、100人以上が逮捕されました。
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