2011年3月27日(日)「しんぶん赤旗」

軍事クーデター35周年

真実と正義求め行進

アルゼンチン各地 首都で数万人


 【メキシコ市=菅原啓】1976年の軍事クーデターから35周年を迎えたアルゼンチン各地で24日、軍政時代の人権侵害の真相究明と責任者の処罰を改めて求める記念行事が行われました。

 この日の行動は、軍政下の弾圧犠牲者の母親らで組織する「五月広場の母親の会」、拘束行方不明者家族会などの人権団体が、「真実と正義を求める記憶の日」として呼びかけたもの。

 首都ブエノスアイレスでは、「私たち(犠牲者)を忘れることを禁じる」と書かれた横断幕などを掲げた市民数万人が参加し、大統領府前の5月広場まで行進しました。

 アルゼンチンでは、1976〜83年の軍事政権下で、民主主義を求める政党や団体が過酷な弾圧を受けました。弾圧による死者・行方不明者の数は約3万人に上るとされています。

 キルチネル前政権とフェルナンデス現政権は、軍人らの責任を不問に付す法律を廃止し、人権侵害の真相解明に力を入れてきました。この結果、軍事政権の元大統領を被告とした裁判が実施され、拘束者を生きたまま飛行機から海上に投下した「死の飛行」作戦の実態も次第に明らかになってきました。

 フェルナンデス大統領は、新聞紙上に意見広告を発表。人権団体が軍政による人権侵害の追及に果たした大きな役割を高く評価するとともに、恥ずべき過去を忘れることなく、明るい未来を見据えながら「この民主主義の道を歩み続けよう」と国民に呼びかけました。





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