2011年3月26日(土)「しんぶん赤旗」

新婚2日 被災地へ

中1で「阪神」経験 「人ごとではない」

大阪・西淀病院医師 花房徹郎さん


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(写真)医療支援に励む花房さん=宮城県多賀城市

 「人ごととは思えない。役に立ちたい」との一心で、新婚2日後に被災地支援に駆け付けた医師がいます。大阪市西淀川区の西淀病院に勤める花房徹郎さん(29)です。津波被害が深刻な宮城県多賀城市内の避難所を巡り、診療活動に励んでいます。震災の恐怖で眠れない人も多く、「これからは精神的な医療ケアが必要になる」と指摘します。

 医師になって4月で丸4年の花房さん。大学時代に子どもたち相手のキャンプサークルを通じて出会った妻(30)と20日、結婚式を挙げました。その直後、同院の第5次支援隊の一員として22日夕に大阪を出発。全国から医療支援が集まる塩釜市の坂総合病院に23日夕に着きました。妻は、心配な気持ちを抑え徹郎さんを送り出したといいます。

 中学1年生のとき、出身地の神戸市で阪神淡路大震災を経験しました。少年期から地域医療に興味を抱き、内科医になりました。今も、地域密着型の「家庭医療」の勉強を重ねています。

 「あと何秒かで、流されたり助かったりという状況を目の当たりにしている人がたくさんいてはる。軽々しい声はかけられない」。じっくりと住民の話に耳を傾け、健康状態を診ます。「寝られていますか?」「(聴診器をあて)胸の音もきれいですよ」。そのあたたかい言葉に、住民らは口々に感謝の念を伝えていました。





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