2011年3月25日(金)「しんぶん赤旗」
“自国民に任せよ” “議会と相談ない”
リビア攻撃 米与野党が批判
【ワシントン=小林俊哉】オバマ米大統領がリビアへの軍事介入に踏み切ったことをめぐり、米国内では空爆に反対の立場からだけでなく、軍事介入を積極的に支持する立場からも批判が上がり、オバマ政権は板ばさみの状況です。
与党・民主党で最もリベラルな人物として知られるクシニチ下院議員は、リビアの問題はリビア人によって決定されるべきだとして、軍事介入に反対。現在検討中の暫定予算に対して、対リビア経費を認めないとする修正案を提出する方針を表明しています。
野党・共和党ではマケイン上院議員など有力者が、飛行禁止区域の設定を主張しました。しかし今回の軍事行動について、ベイナー下院議長は、オバマ氏が事前に議会と相談しなかったことに不快感を表明しています。
有識者の間でも、米外交問題評議会のレスリー・ゲルブ名誉会長が21日、ウェブニュースで、死活的利害を有するわけでもないリビアへの介入を「偽善」と批判。米英仏が軍事行動の最終目的について合意できないまま、事態はずるずると泥沼化する危険があると指摘しています。
一方、軍事介入積極派は、オバマ大統領がカダフィ政権打倒を軍事行動の目的としていないことや、米国が作戦の指揮権を北大西洋条約機構(NATO)に移譲するとしていることを消極的だと批判しています。
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