2011年3月22日(火)「しんぶん赤旗」

原発の一時閉鎖を提唱

メキシコの研究者「福島と同型」


 【メキシコ市=菅原啓】1985年にマグニチュード8・1の地震に見舞われたメキシコでは、日本の福島第1原子力発電所の事故を受けて、研究者から国内の原発の一時閉鎖を求める声が強まっています。

 同国ではメキシコ湾に面したベラクルス州のラグナベルデに2基の原発が稼働中。電力会社はさらに10基の原発を建設する計画です。政府は同計画を「見直す」と発表したものの、既存の原発の本格的な点検には着手していません。

 メキシコ国立自治大学(UNAM)のホセ・ナロ学長は18日、大学内外の研究者の間から危険性を指摘する声が上がっていることをふまえ、原子力エネルギーの推進の妥当性について、「賢明かつ責任ある議論」を呼び掛けました。また、専門家が一定の結論を出すまで、ラグナベルデ原発を一時閉鎖すべきだと主張しました。

 同大学付属のエネルギー研究所(CIE)のマヌエル・マルティネス前所長は、ラグナベルデ原発が、福島第1原発と同型のものであることから、研究者の間から一時閉鎖の必要性が叫ばれていることを紹介しました。

 同氏は、地震や津波で原発が損害を受けることはないとか、核燃料貯蔵プールから放射能が漏れることはないなど、これまでありえないといわれてきたことが「いま日本で覆されている」と指摘。危険性を直視するなら、ラグナベルデ原発を「現瞬間も稼働させ続けることこそメキシコにとって容認しえない危険だ」と力説しました。





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