2011年3月19日(土)「しんぶん赤旗」

ふるえる被災者

昼間はストーブつけず

仙台


写真

(写真)ガソリンスタンドで暖房用の灯油を買い求める人たち=18日、仙台市青葉区

 東日本大震災の被災者は、灯油不足のため寒さにふるえています。比較的物流が機能している仙台市内でも灯油の供給不足はいまだ解消されていません。

 青葉区のガソリンスタンドには18日、1人15リットル限定販売の灯油を求めて朝から20人以上の行列ができていました。並んで待っていた同区に住む女性(59)は「食料の買い出しに市内を回っていたら、たまたま灯油を出しているのを見つけたので私が並び、夫がいまポリタンクを取りに戻っています。この寒さの中、灯油が残り少なくて不安だったんです」と語りました。

 太白区にある同市立長町小学校の体育館には約300人が避難しています。広い体育館に、暖をとるためのストーブは5台。灯油の補給も十分ではなく、日中はストーブの火を消しています。夜間よりは寒さもゆるんでいるとはいえ、じっとしたままの体にはこたえます。マスクをしている人たちが目立ちました。

 夫と一緒に避難している女性(76)は「ストーブから離れたところにずっといるので、寒くてきのう風邪を引きました。物資も届くようになってきたけれど、最初の2、3日はおにぎりやバナナ1本だけで、あめをなめて空腹を忍んでいました」と話しました。

 「家に帰ってもめちゃめちゃだし、食べ物もない。でも、もっとひどいところにいる人のことを考えると、あまりぜいたくは言えないから」。女性は時折、せきこみながら語りました。(岡素晴)





もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp